緊急事態宣言解除10月1日から
首相交代、自民党総裁選4候補者の誰が次期総理大臣になるか注目されるなか、菅総理は緊急事態宣言解除を公式に発表した。緊急事態宣言は9月30日までとなり10月1日に解除される。
株式市場では景気先取りで恩恵を受ける業種の株価が上昇した。今までヒトの移動が制限されていたため業績が落ち込んで、株価下落していた銘柄ほど先行期待で株価上昇している。
緊急事態宣言解除で上がる株として投資家が注目したのは、ジェイアール各社、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州をはじめ、旅行代理店のHIS株価は年初来高値を更新した。
HIS国内旅行取扱高2021年10月から回復する見込み
エイチ・アイ・エス株価が上昇している、旅行業、観光業、旅館ホテル業などは新型コロナウイルス感染防止の観点から、外出自粛や緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などの影響で売上減、業績悪化が目立った。
旅行代理店のエイチ・アイ・エスが2021年8月の月次取扱高を発表した。
8月の海外旅行取扱高が6億円で、2年前同月比99%減で依然として海外旅行需要の回復が低迷したままである。
国内旅行取扱高17億円、2年前同月比77%減で低迷したままだが、10月移行は緊急事態宣言解除されるため国内旅行者が増え需要が回復していくと予想されている。
みずほ証券アナリスト評価ではGo To トラベルのような急回復は見込めないものの、国内旅行が活発化されていくとして、エイチ・アイ・エス目標株価2,550円、投資判断「中立」を継続している。
緊急事態宣言解除で上がる株
リオープニング銘柄として緊急事態宣言解除後の経済活動再開で期待される銘柄・業種は旅行関連、飲食関連、スポーツジム、レジャー、鉄道、空運、人材サービスが挙げられる。
リオープニング銘柄・旅行関連
オープンドア(3926)
格安旅行券、国内旅行、海外旅行、ツアー、ホテル予約などができる旅行比較サイト「トラベルコ」が収益の柱。ベルトラと資本業務提携をしており、海外版トラベルコのアプリ開始を計画。
エアトリ(6191)
格安国内航空券ネット販売で首位級、OTA(Online Travel Agent)エアトリを運営しており、子会社にメルマガ配信のまぐまぐを有している。
SBI証券は9月30日付けレポートでエアトリ投資判断「買い」、目標株価3,800円→4,370円へ引き上げている。
リゾートトラスト(4681)
会員制リゾートホテル国内首位、ゴルフ場や健康診断サービスも兼ねている。サンクチュアリコート高山の新規販売にて会員権販売が好調、デジタルマーケティングによる顧客開拓が奏功して第一四半期(2021年4月~6月)としては過去最高のホテル契約高を記録。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストは8月30日付けアナリストレポートで、リゾートトラスト目標株価を従来1,750円から1,850円へ引き上げ、レーティング「Hold」を継続している。
エイチ・アイ・エス(9603)
HISは海外旅行中心の大手旅行会社、ハウステンボス、変なホテル、電力小売りなど多展開。
澤田秀雄社長の子息である澤田秀太氏は東証マザーズ上場市場に上場しているベストワンドットコム(6577)の社長でベストワンクルーズを運営している。
KNT-CTホールディングス(9726)
旅行会社大手の近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが2013年に経営統合して発足。KDDIと提携して旅行、趣味に関するオンラインさーービス開始と報じられKNT-CTホールディングス株価上昇した。
新型コロナウイルス影響で旅行需要激減、前期債務超過となり2023年3月末まで上場廃止猶予期間入り、継続前提重要事象がついている。
旅工房(6548)
トラベル・コンシェルジュが担当してカスタマイズ旅行プランが可能な特徴を持つ旅行代理店。インターネットでは国内ツアー、リゾート、温泉旅行、価格重視旅行プランまで幅広く取り扱う。
法人客から海外旅行需要があるが渡航規制で取扱高は低迷、店舗統合などコスト削減に励むが海外旅行需要が回復せず赤字拡大。
ベルトラ(7048)
現地ツアー専門サイト、海外オプショナルツアー予約のVELTRAを運営。コト消費、楽しむ旅行を探すならベルトラという認知度が高い。
メインとなる海外旅行ツアーが奮わず、インバウンド外国人観光客も日本旅行に来れない影響で売上減、赤字拡大、継続前提疑義注記。