年金基金運用など機関投資家がリバランス売り警戒
3月25日の日本株式市場は5日ぶりに反発、日経平均株価終値は前日比324円36銭高の2万8729円88円、TOPIXは26.97ポイント高の1955.55ポイントで終了。東証一部の出来高は12億4341万株、売買代金は2兆7080億円と3兆円の大台を割り込んだ。
東証一部の値上がり銘柄数は1925、値下がり銘柄数228、変わらず40、企業向けパソコン販売のハイパー(3054)がストップ高、セイコーエプソン関連会社のエプソン販売と業務提携を発表したことで買われ東証一部市場値上がり率ランキング1位となった。
株式市場では証券会社関係者の話で、年金基金運用の機関投資家からリバランスの売りが出るとの警戒から上げ幅を縮小する流れになったという話が聞かれた。また中国株や香港株式市場が下げ止まったことも買い材料視いされた。
リリカラ株価ストップ高
インテリア、リノベーション、オフィスソリューションの3事業がメインのリリカラ(9827)は全市場値上がり率ランキング1位となった。新型コロナウイルス感染症予防で消毒、抗菌意識が高まっている中で同社が「抗ウイルス加工・制菌加工カーテン」先行発売するとニュースが注目された。
https://online.ibnewsnet.com/news/file_n/cn2021/cn210323-01.html
3月17日にラジオ日経「朝イチマーケットスクエア アサザイ」に、リリカラ代表取締役社長の山田俊之氏が出演して企業内容の紹介をしたことも、個人投資家リスナーに関心が高かったという。
高配当利回り銘柄に銀行株が人気
3月29日の配当権利付き最終売買日を意識して高配当利回り銘柄に買いが入った。バリュー株投資・高配当利回り銘柄投資の季節要因も重なり、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)、あおぞら銀行(8304)などが髙い。
日本アジアグループTOB旧村上ファンド系投資会社
旧村上ファンド系投資会社の株式会社シティインデックスイレブンスが提出した大尉両保有報告書によると、日本アジアグループ株式を買い増ししていたことが判明。従来保有株比率25.87%→30.77%へ増加していることで投資家に買い安心感を与え、ちょうちん買いを誘った様子。
日本アジアグループTOB価格は910円、買収側のシティインデックスイレブンスは2度目の株式公開買付を実施すると3月17日に発表しているが、日本アジアグループ側は対抗策として1株300円の特別配当実施を発表するも撤回するなど敵対的買収の渦中で株高に注目されている。
スエズ運河でコンテナ船座礁、タンカー市況急騰
株式市場では日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)が軒並み高。スエズ運河でコンテナ船座礁ニュースにより、コンテナ船運賃、タンカー運賃高騰が海運株が値上がりする理由とされている。
スエズ運河はコンテナ船座礁により他の船舶が通行できない状態になっている。スエズ運河を経由しない場合のルートは、南アフリカ喜望峰経由を迂回する場合、スエズ運河経由よりも5日~7日間も航海時間が伸びるため、時間と費用が割り増しになる。
3月25日の東証一部業種別株価指数では海運業が上昇率トップで3.15%上昇した。個別銘柄では日本郵船株価が前日比115円高の3815円(上昇率3.11%)、商船三井株価が前日比115円高の3975円(上昇率2.98%)、川崎汽船株価が前日比90円高の2507円(上昇率3.72%)と値上がりした。
スエズ運河でコンテナ船座礁 航路ふさぐ 物流混乱のおそれも
日本海事新聞
スエズ運河、メガコン座礁で封鎖。エバーG運航船。欧州航路、遅延悪化。タンカー市況急騰も
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=266052