大引け市況 :FRB政策スタンスは適切と金利上昇容認発言が株安要因

3月5日の東京株式市場は続落、一時は621円54銭安の2万8308円57銭まで下落する場面もあったが大引けにかけて下げ幅を縮小して、前日比65円79銭安の2万8864円32銭で終了。TOPIXは11.44ポイント高の1896.55ポイントで終了。

楽天証券 マーケットスピード

日経平均株価は3月5日に長い下ヒゲを形成して陽線となった。朝方は米国株安の流れを受けて一時600円以上も下落する場面もあったが、後場は急速に買い戻しが入り大引け直前に高値をつける相場展開。

東証一部の出来高は14億3043万株、売買代金は3兆1752億円、値上がり銘柄数1352、値下がり銘柄数753、変わらずは89銘柄、TOB価格にサヤ寄せするよう昭光通商が値上がり率トップ、昭和電工、日立製作所、西松建設、東建コーポレーションなどが年初来高値を更新した。

米国株式市場はパウエルFRB議長の発言を受けて米国金利上昇・株安となった。半導体関連株、グロース株が売り先行、ナスダック総合指数は274.28ポイント安の12723.47ポイントと大幅安。

ツイスト・オペレーション再開期待外れ

金融市場ではツイストオペ(ツイスト・オペレーション)が再開されるとの期待感が強かった。しかしパウエルFRB議長が「政策スタンスは適切」との認識を示したことで、米金利が上昇した。

市場関係者の中には、「もともとパウエル氏は景気回復時に金利上昇することを容認するタイプだった」ということもあり、株式市場の失望売りは急落したグロース株の仕込場になるとの強気な発言も聞かれた。

ツイストオペとは

ツイスト・オペレーションの略語がツイストオペ、英語では Operation Twist 表示する。金融政策では金利、供給量、中央銀行による公開市場操作、口先介入など、様々な方法で為替、金利の方向性を誘導している。

ツイスト・オペレーションとは中央銀行が「買いオペ、売りオペを同時に公開市場操作で行い、資金供給量を変えずに金利を逆方向へ誘導すること」を意味指す。

一般的に景気回復の対策に金利引き下げて供給量を増やし、企業が銀行空借入しやすくして設備投資を促し景気回復させるという金融政策がある。

逆にバブル景気のように過熱した景気の場合には、金利引き上げをして景気が行き過ぎないようコントロールする。日本のバブル崩壊は総量規制など金融政策が失敗したことが後に「失われた20年、30年」とも言われるようになった。

ツイストオペは資金供給量を変更しないで、長期金利引き下げ方向へ誘導して景気回復をさせる効果があります。同時に短期金利を引き上げてインフレを抑制させるという効果がある金融政策手法である。

現在の米国長期金利は超低金利政策が続いている状態であり、ダブついた資金が過剰流動性相場を作り上げている。株式市場関係者は、今回パウエルFRB議長が低金利政策を維持、資金供給量を維持とハッキリ伝えず、金利上昇の可能性を容認するかの内容に金融マーケットは「金利上昇・株安」を招いたと分析されている。

東証一部値上がり率ランキング銘柄

順位コード企業名終値上昇率前日比出来高
18090昭光通商80211.39%82902,300
28918ランド1110.00%121,299,500
37752リコー1,2138.59%9625,558,600
43996サインポスト9777.96%72158,200
56588東芝テック4,3757.89%320261,100
67762シチズン時計4177.47%294,967,300
76839船井電機5357.21%36323,900
88011三陽商会7447.05%49377,500
97833アイフィスジャパン7807.00%5128,500
106502東芝3,7656.06%2156,186,400
117313テイ・エス テック3,2706.00%185336,900
126048デザインワン・ジャパン2495.96%14276,100
134118カネカ4,5355.34%230514,100
148078阪和興業3,0505.32%154324,400
159401TBSホールディングス2,1175.32%107718,400
167305新家工業1,6195.27%81126,400
176448ブラザー工業2,2925.14%1122,066,100
185017富士石油2295.05%11898,200
197037テノ.ホールディングス1,1335.00%54140,300
205191住友理工6764.97%32410,700
213183ウイン・パートナーズ1,2974.85%6063,500
227769リズム8264.82%3824,700
237944ローランド3,9004.70%175153,500
249517イーレックス1,8714.70%841,872,000
253341日本調剤1,7554.65%78133,200
269058トランコム8,3204.65%37026,000
273612ワールド1,4414.57%63226,300
286638ミマキエンジニアリング5494.57%2459,100
296952カシオ計算機2,1374.55%932,050,000
306965浜松ホトニクス6,5604.46%280514,000

東証一部値下がり率ランキング銘柄

順位コード企業名終値上昇率前日比出来高
14082第一稀元素化学工業1,120-11.04%-139907,400
28698マネックスグループ825-8.94%-8129,972,000
33182オイシックス・ラ・大地2,556-7.93%-2201,367,600
47004日立造船851-7.50%-6927,356,000
54829日本エンタープライズ242-6.92%-18791,400
69262シルバーライフ2,033-6.66%-145179,100
72764ひらまつ183-6.63%-13962,000
86098リクルートホールディングス4,931-6.34%-3349,184,200
95541大平洋金属2,130-6.25%-142648,100
106200インソース2,281-5.86%-142553,300
113770ザッパラス468-5.84%-29503,400
126070キャリアリンク2,055-5.78%-1261,031,800
133135マーケットエンタープライズ1,563-5.73%-9567,900
144396システムサポート1,515-5.67%-9196,200
153661エムアップホールディングス2,357-5.64%-141309,300
163649ファインデックス1,056-5.63%-63136,800
176330東洋エンジニアリング606-5.61%-361,288,400
181964中外炉工業2,100-5.32%-118253,300
197060ギークス1,495-5.20%-8239,300
203446ジェイテックコーポレーション3,375-5.06%-18039,500
213854アイル1,567-5.03%-83174,800
223073DDホールディングス626-4.86%-32151,600
239099C&Fロジホールディングス1,743-4.75%-8794,200
248920東祥1,852-4.63%-90247,100
253655ブレインパッド5,040-4.55%-24094,000
263319ゴルフダイジェスト・オンライン1,099-4.52%-52178,200
271938日本リーテック2,450-4.41%-11346,000
284093東邦アセチレン1,326-4.40%-6120,400
296088シグマクシス1,603-4.36%-73138,900
307527システムソフト132-4.35%-62,920,500
おすすめの記事