好決算ZOZO、デンソー、富士電機
4月28日、大引けの日経平均株価は62円08銭高の2万9053円97銭、TOPIXは5.51ポイント高の1909.06ポイントと小幅反発。東証一部の出来高は12億3708万株、売買代金は2兆7025億円、値上がり銘柄数628、値下がり銘柄数1481、変わらずは79、富士興産TOB株式公開買付を投資ファンドが発表して値上がり率ランキング1位。
日本国内はゴールデンウィーク連休前のポジション整理の動きで反発しても小幅高程度、今晩アメリカではFOMC政策声明やバイデン大統領施政演説を控え様子見ムードが強く大引けにかけて上げ幅を縮小する格好となった。
好決算発表銘柄のデンソー(6902)、ZOZO(3092)、富士電機(6504)が買われ、山洋電気(6516)は決算と増配発表を好感してストップ高、富士興産(5009)は海外投資ファンドのアスリード・キャピタルが株式公開買付開始を発表したことで急騰。
さくらインターネット株価大幅安
一方で決算発表が従来計画に届かずネガティブとして、さくらインターネット(3778)が大幅安、前日比102円安の684円と3日続落、東証一部値下がり率ランキング1位となった。
5G関連銘柄として相場を作ったアンリツ(6754)は、2022年3月期の営業利益予想205億円、4.3%増益見通しだが市場コンセンサスを20億円下回っていると失望売りで年初来安値を更新した。ジェフリーズ証券ではアンリツ投資評価を「BUY」から「HOLD」へ格下げ、目標株価3000円から2700円へ引き下げた。
JR東海株価急落、リニア中央新幹線工事費1.5兆円増
JR東海(9022)はリニア中央新幹線の総工事費が、前回予想から1兆5000億円増えて7兆円を超えると報じられたことで株価下落、一時は5%超の値下がり率となり工事費負担増が嫌気された。
JR東海株価は寄り付きから売り気配となり、前日比660円安の1万5500円で寄り付いた。寄り付き直後には930円安の1万5230円まで値下がりしたが、次第に押し目買いが入り大引けは715円安の1万5445円で取引を終えた。
株価チャートは窓を開けて急落するも、下値で買いが入ったことで下ヒゲを形成、上値を追う場面もあったが押し戻されており上ヒゲも形成する格好となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストは「東海旅客鉄道決算ポジティブ、計画を上回るコスト抑制を評価」というレポートをリリース。従来計画では1504億円の赤字が912億円にまで赤字幅が減ったことを評価しており、レーティング「オーバーウェイト」、目標株価20300円を据え置きしている。
富士興産TOB価格1250円、アスリード・キャピタルが株式公開買付
東証一部値上がり率ランキングトップになった富士興産(5009)は、シンガポールの投資会社アスリード・キャピタルが1株1250円でTOB(株式公開買付)を開始すると発表したことで株価急上昇となった。
もともと、アスリード・キャピタルは富士興産株式を16.8%保有する大株主で、企業価値向上の為に上場廃止にして株式非公開企業にする必要があるという考えだそうだ。
株式公開買付期間は4月28日~6月14日まで、TOB価格は富士興産株式1株1250円。4月28日の取引時間中の高値は1368円まで上昇してTOB価格を超える場面もあり、市場関係者からは思惑先行型の買いが上値追いの原因となったと分析。
投資家の間ではアスリード・キャピタルが大株主になっている別の銘柄を探す動きが出ており、発行株数の18.01%を保有するキャリアデザインセンター(2410)株価が急上昇、前日比66円高の1070円まで買われた。発行株式の17.75%を保有するスペースバリューホールディングス(1448)株価も動意づいたが、まだ初動の段階で今後の株価動向が注目される。